小・中学生向けプログラミング教室を開業(開校)するための準備と手順のポイント

  • 2018.06.06

はじめに

2020年の義務教育課程でのプログラミング必修化を控え、プログラミング教育への関心が高まってきています。
この機会に新たにプログラミング教室を開業(開校)したい、既存の教室にプログラミング学習を加えられないか、そうお考えの方も多いのではないでしょうか。

この記事では、プログラミング教室の開業に必要な準備と手順のポイントを、私たちがプログラミング教室 フーコというプログラミング教室の運営で得た知識経験をふまえつつご案内してみたいと思います。

プログラミング教室の開業をお考えの方の参考になれば幸いです。

教室開業までの準備と手順

教室の方向性を決める

まずはどのような教室にするのか方向性を決めましょう。

プログラミング教室と一口にいっても「教室をかまえて定期的に運営する方法」と「教室を持たずに公共施設を借りてイベント的に開催する方法」などがあります。
プログラミング学習の機運は高まりつつあるものの、未だ他の習い事と比べれば受講希望者は少ないです。既に教室として使える物件やスペースを持っている場合以外は、公共施設などを借りて試験的に学習イベントを開催して様子を見ることをオススメします。

次に学習内容を決めましょう。
小・中学生向けのプログラミング教室で主に採用されている学習内容は、ロボットを使った「ロボット型プログラミング学習」と、パソコンソフトを使ってパソコン内で完結する「ソフト型プログラミング学習」の2つがあります。
両者の特徴や違いについては以下の記事で詳しく紹介しています。あわせてご覧ください。

ロボットかScratchか。小・中学生向けプログラミング教育の種類と違い

授業の受講形式も決めなくてはなりません。
複数の生徒が一同に会して講師から学ぶ「講義型」か、子供ひとりひとりが各々のペースで学ぶ「個別指導型」か。
既存の教室でプログラミング教室をはじめるなど最初から生徒数が確保できる場合を除き、まずは「個別指導型」が開業しやすく子供たちをしっかり見ることができるのでオススメです。

受講料の徴収方法についても考えましょう。
教室所定の封筒に入れて手渡しで収めてもらうのか、銀行引き落としにするのか、またはクレジットカードを利用できるようにするのか。
銀行引き落としやクレジットカードは便利ですが、利用するのに手数料がかかってしまうのがデメリットです。
まずは封筒を用意して手渡しで収めてもらう方法で十分。銀行引き落としやクレジットカードは生徒数が増えてきたら対応しましょう。

教材について決める

教材は自作するか、教室向けに販売されているものを購入する方法があります。

教材の自作はお金がかかりますが、使い回せるように作ってしまえば後の教材費がかからないのがメリットです。デメリットは手間がかかることと自分の知識経験や教えるセンスに左右されること。自分自身がプログラミングに精通しているからといって良い教材を作れるとは限りません。
子ども達にわかりやすく使いやすい教材を作るには、プログラミングの知識経験に加えて子ども達が何を考えどのように行動するのかを知るほうが大切です。
比較すると教材の自作は難易度が高い方法といえます。

教室向けに販売されている教材を購入する場合は、体系化されたカリキュラムがすぐに手に入るのがメリットです。デメリットとしてはやはりお金がかかってしまうこと。新しい生徒が入会するたびに教材費がかかってしまう場合があります。この傾向は特にロボット型のプログラミング学習を選択した場合に問題になりやすいです。
ロボット型プログラミング学習は、ひとりにつきひとつのキットが必要です。他の生徒への使い回しがきかないので高額な傾向にあるキットを毎回購入しなくてはならずお金がかかります。

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教室や備品を用意する

常設で教室を運営する場合は、教室を開くための物件や備品を用意しなければなりません。

前述したように現時点のプログラミング教室のニーズはそこまで高くありません。
生徒を募集してもすぐにたくさんの生徒が集まるとは考えにくいです。
このような状況を考えると、家賃のような固定費はできるだけ安くし、生徒が増えて損益分岐点を超えるまでの耐久力を確保することがとても大切です。
自宅や使っていない物件、コワーキングスペースの会議室やレンタルオフィス。
使えるものはなんでも使って費用を抑える工夫をしてください。

現時点でのプログラミング教室の成否は教室の耐久力にあるといっても過言ではありません。
同じプログラミング教室のライバルがいない、または少ない上、プログラミング学習について保護者たちの知識や理解が浸透しきっていないので、内容による差別化はあまり意味を成しません。
それよりも「プログラミング教室を運営していること」のほうがはるかに重要です。
今はまだ地域にプログラミング教室がひとつだけということも珍しくありません。先行者利益を享受できる環境にあります。反面、生徒が集まりにくいということでもあります。
できるだけ費用をかけないようにし、長期的視野で生徒を集めていける耐久力を確保すること。現時点ではこれが最も大切です。

備品について代表的なものとしては、パソコン、机や椅子、ホワイトボードなどがあります。
教材や学習内容によってはパソコンやスマートフォンなどのデバイスが必要になる場合があります。
パソコンは高額なので最初は2,3台にしておくのが費用を抑えるポイントです。生徒が増えてきても曜日や時間をずらして使えば数台のパソコンでもかなりの人数まで対応することができます。

学習教材によってはインターネット回線が必要です。
回線業者やプロバイダと契約して使う方法が一般的ですが、工事が必要になったり教室でしかインターネットに接続できないのがデメリット。
当初はWiMAXなどのモバイルWi-fiでも十分です。学習用途なら速い回線である必要はありません。それより持ち運びできてどこでも使えるモバイルWi-fiのほうが契約も簡単でオススメです。

集客方法を考える

最後に生徒の集客方法を考えましょう。

集客方法と一口にいっても色々ありますが、オススメはホームページやSNSなどのWeb系サービスを活用することです。

プログラミング教室の生徒の大半は検索エンジンやSNSからやってきます。
現時点で子供にプログラミング教育を受けさせたいと考える保護者の方は、ITリテラシーが高く、検索して課題解決することに慣れている傾向があります。
プログラミング教室は新しい分野のため、学習塾やソロバン教室のように地域で長い間運営されていることがなく、保護者間の情報交換の対象になりにくいです。そのため、いざプログラミング教室に子供を通学させる時は検索エンジンで調べて教室にきてくださるというわけです。

ホームページというと業者に頼んで高額な制作料がかかるイメージがあるかもしれません。しかし現在ではホームページ作成の知識がなくても、無料で簡単にホームページを作成できる素晴らしいWebサービスがたくさんあります。また、ブログサービスなどを使ってホームページを代用することもできます。
ライバルが少ない現時点で大事なことは、ホームページの見た目や体裁ではなく「検索したら検索結果にのることができるホームページがあること」です。通学を考えている保護者の方は、複数教室の体験会に参加することがあるので、必ずしも検索順位の1位である必要もありません。

SNSを使った集客も効果的です。
SNSは自分と似た境遇の人と繋がりやすい特性がありますから、知り合いの知り合い、さらにそのまた知り合いは自分の近くに住む人である可能性が高く、地域性が高いのです。
うまく教室の情報を伝播させることができれば、お金をかけずに生徒を獲得することができます。
ただしSNSは本来はビジネス用途で使うためのものではないので、あまり猛烈にプッシュすると嫌われる傾向にあります。要点を抑えてココぞ!というときに活用するようにしましょう。

折り込みチラシやフリーペーパーへの広告出稿も考えられます。
しかしこれらの媒体はお金がかかるうえに不特定多数に向けたものが多く、現時点ではプログラミング教育に対する反応率はイマイチです。生徒一人を確保するための費用対効果として優れているとは言い難いのが現状です。

「フリーペーパーやチラシを見てくれた人がプログラミング教育に興味のある人だった」
残念ながら現時点ではその可能性は低いと言わざるをえません。

現時点では集客方法はなるべく費用をかけずに行えるWeb系の方法に注力されることをオススメします。

まとめ

現時点でのプログラミング教室開業に向けた準備と手順のポイントについてザッと書いてみました。

あくまでも上記はすべて「現時点」での情報です。今後プログラミング教育が普及することでポイントは変わっていくと思います。

内容で繰り返し述べたように、現時点の最大のポイントは「まだプログラミング教室やプログラミング教育の認知や周知が十分でない」ということをしっかりと理解すること。
この事実をチャンスとリスクの両面から考え行動することが大切です。

次回はプログラミング教室開業後の教室運営について書いてみたいと思います。あわせてご覧になってください。

さぁ、プログラミング学習 を はじめましょう!※ ご質問・ご相談はお問い合わせフォームよりお気軽にご連絡ください。

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